未来へつむぐお弁当箱・水筒・バッグ選び:忙しい親のための環境と長く使うヒント
忙しい日々でも、子どもたちの「持ち物」から未来を考える
子育てや仕事に追われる中で、日々欠かせないのが、子どもたちが使うものの準備です。お弁当箱、水筒、そしてそれらを入れるバッグ。これらは毎日のように手に取る、身近なアイテムです。
しかし、これらのアイテム選びに、少しだけ視点を加えることで、子どもたちの未来のためにできることがあります。「未来へつむぐ買い物」の視点を取り入れ、環境への配慮や、長く大切に使うことを意識したアイテム選びについて考えてみましょう。忙しい中でも無理なく実践できるヒントをご紹介します。
倫理的な商品選択とは? 子どもが使うものから考える
「倫理的な商品選択」と聞くと、難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば「商品が作られる過程や使われた後に、人や環境に悪い影響を与えていないか」を考えて選ぶことです。子どもたちが使うお弁当箱や水筒、バッグであれば、
- どんな素材で作られているか? (環境負荷の低い素材か、安全な素材か)
- どのように作られているか? (フェアな労働環境か、資源を無駄にしていないか)
- どれくらい長く使えるか? (耐久性があるか、修理できるか)
- 使い終わった後はどうなるか? (リサイクルしやすいか、自然に還る素材か)
といった点を意識することです。これは、すぐに壊れてゴミになってしまったり、製造過程で環境を汚してしまったりする商品を避けることに繋がります。
忙しい親でも実践できる、子ども用品選びのヒント
日々の忙しさの中で、すべてを完璧にこなすのは現実的ではありません。まずは、できる範囲で、一つずつ意識を変えていくことから始めてみましょう。
1. まずは「長く使えるか」をチェック
子どもが使うものは成長と共にサイズアウトしたり、好みが変わったりすることも多いですが、お弁当箱や水筒、バッグの中には、工夫次第で長く使えるものもあります。
- 耐久性のある素材や縫製か: 落としたり、引きずったりとタフに使われることも多いアイテムです。壊れにくい素材や、しっかりした縫製の製品を選ぶと、買い替えの頻度を減らせます。
- シンプルなデザインか: キャラクターものは飽きてしまうことも。年齢が上がっても使いやすい、シンプルで飽きのこないデザインを選ぶと、小学校高学年や中学生になっても使えることがあります。
- 修理や部品交換が可能か: 水筒のパッキンや蓋、バッグのファスナーなど、一部が壊れても部品だけ交換できる製品を選ぶと、本体ごと買い替えずに済みます。購入時にメーカーのサポート体制や部品販売について確認するのも良いでしょう。
2. 素材に注目してみる
次に、使われている素材に目を向けてみましょう。
- プラスチック製品: 軽くて扱いやすい反面、使い捨てられたプラスチックは環境に長く残ります。選ぶ際は、BPAフリーなど安全性が確認されているか、リサイクルしやすい素材か、長く使える耐久性があるかを確認しましょう。再生プラスチックを使用した製品も増えています。
- ステンレス: 水筒やお弁当箱の定番素材です。非常に丈夫で衛生的、錆びにくく長く使えます。適切に手入れをすれば、何年も使用できます。
- 木や竹: 軽くて自然な風合いが魅力です。適切に管理された森の木材(FSC認証など)や、成長の早い竹を使った製品は、サステナブルな選択肢となり得ます。ただし、お手入れ方法を確認しましょう。
- 布製品(バッグなど): 素材にオーガニックコットンやリサイクル素材が使われているか、染料は環境負荷が少ないかなどを確認するのも良いでしょう。
3. 「少し良いもの」を選ぶことの価値を考える
倫理的な商品や耐久性の高い商品は、初期費用が少し高くなる傾向があります。しかし、すぐに壊れて買い替えが必要になるものと比較すると、長い目で見れば経済的である場合も多いです。
例えば、安価なプラスチック製水筒を毎年買い替えるよりも、少し高価でも丈夫なステンレス製水筒を5年間使い続けた方が、トータルの費用は安くなる可能性があります。また、修理しながら使うことで、さらに長く愛用できます。
まずは、毎日使う一つのお弁当箱から、長く使えるものを選んでみるなど、無理のない範囲で試してみてはいかがでしょうか。
具体的な選び方の例
- 水筒: 保温・保冷機能だけでなく、洗いやすさ(部品が分解できるか)、パッキンなどの部品交換が可能か、本体の凹みにくさなどをチェック。サーモスや象印など、国内メーカーは部品販売が充実している場合が多いです。
- お弁当箱: 素材(ステンレス、竹、安全なプラスチックなど)、容量、洗いやすさ、蓋の閉まり具合などを確認。プラスチックフリーを目指すなら、ステンレス製や竹製、ガラス製(子どもには不向きな場合も)などを検討。
- バッグ・リュック: 耐久性のある生地か、縫製はしっかりしているか、肩紐やファスナーは丈夫かを確認。リサイクル素材を使ったブランドや、デザインがシンプルで長く使えるものを選ぶのも良い方法です。パタゴニアやノースフェイスなど、一部のアウトドアブランドは製品の修理サービスを提供している場合があります。
これらの具体例はあくまで選択肢の一部です。ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、無理なく続けられるものを選んでください。
未来への一歩は、身近な選択から
子どもたちの未来のために、何か大きなことをしなければと思いがちですが、日々の小さくても意識的な選択が、やがて大きな変化に繋がります。子どもたちが使うお弁当箱や水筒、バッグを選ぶ際に、「これはどんな風に作られたのかな?」「長く使えるかな?」と少し立ち止まって考えること。そして、使わなくなった後も、フリマアプリで譲ったり、リサイクルに出したりする方法を考えること。
こうした一つ一つの積み重ねが、物を大切にする心を子どもたちに伝える機会にもなります。完璧を目指すのではなく、「自分にできる範囲で、少しずつ」倫理的な商品選択を日々の暮らしに取り入れていくことが、子どもたちの明るい未来を築く一歩となるでしょう。